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文豪、そして殺人鬼 令和弐年葉月公演 30日 夜公演 初見感想

 

友人から「文豪、そして殺人鬼」のCD(令和弐年葉月公演 30日 夜公演 益山さん、千葉さん、濱野さん)をお借りして聴いた初見感想と雑感です。どネタバレです。(3/4追記)

 

本編の感想

良い声してんな……
たぶん通して聴くと意味がわかるポエムだ(?)

人を狂わせる男じゃんこいつ 知らんけど
ウワ〜この家庭事情 後から響きますよ 知らんけど
噂がすぐ広まるの、田舎の悪いところだねほんと

ふーん入念に焼くタイプなんですね なんかいいな
まるでお母さん←俺の推しの波動を発するな
擬似家族は地獄の始まりなのよ(?)
楽しそうで何より

楽しいのは前フリなのよ 知ってた
後からとか言うまでもなかったな 響きまくり
ゆるやかな♪ 甘やかな♪ 地獄の形成♪
逃げたのは悪いが代償としてはデカすぎるわ
あっけらかんとしているようで自罰的なの、つら

ヤンのデレ?
お前お前お前お前お前 何をする
出られないわけで実質監禁みたいなもんじゃん?
ラーメン(何かがよぎる音)
失うものがない人間は無敵
ウワ〜こいつヤンデレ界の役満じゃん(?)
囲い込み他者から孤立させ連帯感を植え付けるな
こいつ…… こいつ…… ギリィ……
偉くないです……

どんどん弱ってるな これで奇行に走らなきゃいいが……(前フリみたいになってるよ)
「俺のほうが救われてたみたいだ」←オタク全員好きワード

尺光輝を許さないの会
ア〜〜?  重めの矢印をねじれの方向に向け合うな
誰も幸せにならないタイプのアレ?

なんだこいつ 俺はお前を許さないからな
アアアアアアアアお前お前お前 お前かよ
お前も 囲い込んでた お前 なんなんだ お前
ヤンデレヤンデレの頂上決戦?

業の二重らせん構造
監禁(監禁とは言ってない)から逃げようとしたらバドエン√に入るってヤンデレ界の常識だぞ

ダメだまともな人間を連れて来い
死なないの解釈の一致だな〜(?)
ウワ〜真正サイコですみたいなフリしとるけどちょっとは情があったでしょ?(深読み)
完全なる善性で自責感情から狂い始めて甘やかな地獄を産んでしまうタイプの男と明るく振る舞いながら弱さを利用してつけ込みつつ結局自罰的になる男とシンプルに陰湿で目的のためなら手段を選ばないけど初めて触れた大事そうなもののとっておき方がわからなかった男が出会ってこじれてみーんなダメになる話だ……

 

その他雑感

菅さん:自責感情が強すぎるのは恵まれたがゆえなのかな 自分を責めてすらいられない境遇の人ってきっといる
あとわざわざ東大って名前を出したのは芥川龍之介東京帝国大学だったからかな 普通は難関校とか言ってぼかすよね あとは睡眠薬とかも……
「或旧友へ送る手記」(ざっくり言うと遺書)で自殺前の芥川が溺死はしたくないから服薬自殺って書いてるのは違うとこかなって思ってたけど、「同時に又僕一人自殺することは二人一しよに自殺するよりも容易であることを知つたからである。」でウワ!!! となった 後述します
個人的に甘やかで心地良い地獄を生み出しちゃう歪み人間大好きマンなので好きだな〜! と思いました 脳で推してる 自分一人死ぬってことは後の判断を全部向こうに押しつけることになるわけで、重責に堪えられなくなっちゃった脆さがLOVEだなあと感じました(作文)
あと朱知に溌剌とした面を見せるわりにはけっこう人付き合いに疲れている感じがして、こっちが素なのかな…… すべては朱知のためなのかな…… と感じました ズブズブ共依存系優しく囲い込みお兄さん、すきです あと朱知が他の人間とひっつこうとするとちょっと不機嫌になるのニヤニヤしちゃう
益山さん:とにかく健やかで健全で病んだことない男! みたいなキャラクターのイメージが強くて、地獄みの強いお話の登場人物ってどんな感じになるのかな〜 とわくわくしてたんですけど、善人ゆえに思い悩んで結果自分勝手な行動に出てしまうタイプでワ〜そっちか〜〜! と思いました お兄ちゃん……(?) 脆いとわかってもなお背中を預けたくなっちゃう善の男でしたね…… そう、脆さ……


朱知:けっこう賢いし聡いよね、学校は行けなかったみたいだけど野生の勘とか出来事を繋ぎ合わせる力が強いし時と場合に応じて他人を利用するしたたかさもある でも唯一縋ってる菅さんが脆いから結局死ぬのである……
いくら扱いがひどかったとはいえ肉親からサクッと離れて菅さんに懐いちゃうの、とんでもない情念深さだなあ
ギリギリ全盲ではないっていう真実を隠さなければあそこまで生活がキツくなることはなくて済んだかもしれないのに、それでも菅さんを罪悪感で縛り付けてなおかつかわいそうな自分でいて囲い込まれることを選択したの、恐ろしい子…… ヤンデレというよりはメンヘラの素質が強い 一番弱ってるときに相手が一番気にしてること言って罪悪感植え付けまくって弱さを印象づけるのなかなかの策士で震えるんですが……

あとやっぱり「自分にはこの人しかいない」属性は特攻が入る いくら扱いがひどかったとはいえ肉親からサクッと離れて菅さんに懐いちゃうの、とんでもない執念深さだなあ 自分を心配してくれたって言っても加害者に全部の感情向けちゃうのどんだけ今までの人生に潤いがなかったんよ!

結局管の罪悪感を和らげるために真実告げても罪の意識を増幅させてしまうしさあ…… なんなの??? 救いはないんか?

千葉さん:あっけらかんとしてて幼さを感じさせてきてひたすらかわいいな〜 って思ったけど聴き終えてみるとこうやって庇護欲を掻き立てるのも何割かは自分のためだったのだろうなと思わせてくる朱知でした ありがとうございました(?) 幼いけど地頭は良さそうな利口さが覗くのがすこです


尺:認めたくないけどなんか脊髄で狂うのはこいつなんだよな〜〜…… ギリィ……
生きるためだけに生きてきた人だな
…… と思ってたら「或旧友へ送る手記」に「しみじみ『生きる為に生きてゐる』我々人間の哀れさを感じた。」って書いてあってぶったまげた

白杖を勧めてたのは管以外の拠り所を持てってことかな 怖いよう……
これからどうするんだろうね…… 殺人は正直するんだろうな それだけが生きる道だし、これ以上頼れる人がいなくなってなお死なないのを選んだのはそういう決意かなあ
行動だけ見るとわりかしサイコパスとか言われる部類に入ると思うし、少なくとも共感性を排除していかないと生きられないというか、共感性薄くいたことで生存できた人なんだろうな
そしてたぶん完全に欠いていたのではなく元が薄い共感性を一欠片残して意図的に排除してたんじゃないかな…… 「どうも、お義兄さん」とかはもう共感性の低さ漏れちゃってるけど、似た境遇にいる朱知と彼が執着する菅に興味を持ったことで最後のほうは人間っぽさが滲んだように見えた あと「ただいま」とか言うの初めてなんじゃ?? 自作自演で事件を起こして記事を書く上でわざわざ一家心中っていう形にこだわるのも家族がいないがゆえだろうなってことを考えました 疑似家族は地獄の始まり あくまで尺からしたら二人との出会いは通過点かもしれないけど、間違いなく特別でしょ!

濱野さん:ラーメンに反応してすみませんでした あとそのラーメン睡眠薬入ってるだろとか疑ってすみませんでした(まあ睡眠薬結局持ってたけど) よく共感性が低くて目的のためなら手段を選ばない人は存外人当たりがいいって言うけどまさに最初の感じがそうで、元々持ってらっしゃる湿度の高さに冷たい距離感が加わって「にこにこしてるけどなんか一定ラインからは寄り付けない人」が完成しているのがわかるな〜 って思いました あと良い声ですよね(今?) でもあんた最後に情生まれたでしょ、そうって言いなさいよ……(誰?)

 

序盤の菅の小説のノックスの十戒にまつわる記述が取らせる構造について:「犯人はここにすでにいる」宣言=かなり巧みで挑戦的なトリックか結末をあらかじめ示してミステリ要素を最小限まで排するかの二択(ここまで言っておいて並のトリックは使えないよな)
→ガチガチのミステリに持っていくのではなく先の展開を予測させてでも三人の絡み合う感情や業を表し切ることに注ぎ込んだんだなって思った
聴き終わった最初はわりとあっさりなのに遅効性でじわじわ来るのはこれのせいかな(考えながら聴くよりも聴いてから考えるみたいな) 長々と語ったけどホワイダニットの一語で表せる概念じゃんね ホワイダニット好きなのでそら好きになるはずですわ……この小説読んでみたかったな
そういえばタイトルももうすでに誰かしら人を殺してますよと予告しているのであったわね

 

心中はオタクの深読みでなく向こうが意識的に取らせた読みだという話:オタクすぐ心中だ! とか騒ぐので最近は自戒も込めて逆張りしがち(面倒なオタク)なんだけど、これは偽の心中事件をでっち上げて報道し続けた記者が唯一記事にしなかった事件=本当の心中という読みを導くための構造だよね
公式側から心中という読みを思いっきり取らせてくれるのたすかる(?)

能天気なオタクなので心中はハピエンだと思ってるんですけど、これは心中は心中でもハピエンじゃないほうの心中だなって話です
二人が持っていた罪を受け止め合えば二人で生き延びる道もあったんだろうなって思うけど、死ぬ動機が「二人の関係性を強固にするため」じゃなくて「一人の人間(相手)への懺悔と懺悔によって救われる一人(自分)のため」という感じで、ハナから二人で幸せになることを想定していないのが本当に不幸だったなと思う
端から見ると正直「ぽまいら許し合ってるんだから仲良く生きられるでしょ」とも思えるんだけど、他でもない彼ら自身がそれを是としていないのでこの結末になるしかないんだなあ らべを

うーんでも罪を洗い流した管とこれでずっと一緒な朱知のハピエン(=極楽)なのかもしれない、もう幼女だからわかんないですふえーん……

 

尺光輝と出会わなくても遅かれ早かれ二人はこじらせまくって何らかの形で歪んでいたのでは? かなり最初から死が二人の選択肢にあったし
尺と出会ったのは最短で最大効率を叩き出すためのルートに過ぎなかった感じ
一方尺は二人に出会って結構決定的に調子狂ってる かわいそう〜!!!

 

外側にいる者としての尺について:二人の死後生き残った者として、隣人みたいな明確な関係を持たない曖昧な二人の知人として、事件を客観的に取材する記者として、周囲から孤立して生活してきた人間として、この物語の語り部として、徹底的に尺は外部に切り出されている
初めて二人の関係性の内側に入り込める可能性のあった瞬間だったのでは? *1それを放棄したんだな
放棄したくてしたのか、それしかできなかったのかどっち? 正直手放したくなくてもそれができなかったんじゃないかな ずっとあらゆる繋がりの外側にいたので掴み方を知らないのかな…… かわいそうでかわいいな…… ちょっと朱知と一緒に生きる道ちらっと考えたんじゃって思います ずっとあらゆる繋がりの外側にいたので掴み方を知らないのかな…… かわいそうでかわいいな…… ニコ……

 

菅は命しか差し出せるものがなかった人、朱知は死ぬしか退路がなかった人、尺は生きるしか道が残されていない人という感じ

管は償うために命を投げ打つことが、朱知は命を落とすことでこの世からいなくなることが主たる死の目的で、要するに延々すれ違ってるじゃん 管は「死ぬ」ことが、朱知は「死ぬと死んだ状態になる」ことが重要っていうか…… えっこれ伝わってる? 大丈夫?(?)

 

蜘蛛の糸に関してはいろんな人が提唱してる「それぞれの名に近い者が蜘蛛の糸とは反転した運命を歩んだ」でBAでは…… と思っちゃうけど、「或旧友へ送る手記」が思いの外リンクしてるような気がしてビビっている 小説家とか東大とか睡眠薬とかのモチーフで菅=芥川の図をある程度取ってるんだろうな 有名な「唯ぼんやりした不安」という一節よりはだいぶ具体的で切羽詰まっているけども、心中について触れているくだりがあってけっこうそこは近しい考え方をしているんじゃないかと思った

 

三人の名前について

メタ的に言えば三人の名前は「蜘蛛の糸」から取られているんだろうけど、単に人間の名前として(?)見たときにけっこう情緒狂うなって話です

管忠義はまあそのままというか忠義の心強すぎて死んでもうてるやんと思います 一糸朱知は「朱を知る」って書くけど、朱、知ってる……? いや見えてた時期もあるし今でも多少はわかるかもしれないけど、目が不自由な子にこの名前なのって業深いなと思いましたね あと尺光輝どこが光り輝いてんねん!!! 闇闇の闇だろ!(闇闇の闇?) どうしてあの生活になったかは知る由もないけど、いろんな可能性があるじゃないですか 親が将来に期待して光輝って付けたもののやむを得ない事情で離れてしまったとか、もともと望まない子で捨てられたとか、名前すらわからなくて自分から名乗るようにしたとか、施設でそう呼ばれたとか、名前って何らかの願いが込められるもんだから、いずれにしてもしんどいなあ……*2

えっなんで私尺光輝の話ばっかしてるんですか? 許さないです

 

人の感想とか読む限り演者さんによってかなり雰囲気変わるみたいで機会があればそれも知りたい…… になっているんだけど、オタクは雛鳥なのでこれが親になるんやろなと思いました ハイ

 

想像以上の! 情の深さですねェ!(復唱)

 

唐突にここで終わっていました。以上です。

 

*1:前日譚を聴くと印象がまた変わりますね

*2:まさか前日譚がそう来るとは思わなかったです